産業が放出する危険な汚染物質
米国の産業活動は、近隣住民の健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。工場やプラントから排出される有毒物質は大気や水質を汚染し、さまざまな健康障害を引き起こします。米国環境保護庁(EPA)は、これらの有害物質を分類・規制し、影響を低減する取り組みを行っています。
既存化学物質
EPAは、ベンジジン染料、フタル酸エステル、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、ビスフェノールA、過フッ素化化学物質(PFC)などを化学管理プログラムおよび有害物質規制法(TSCA)で規制しています。これらは「既存化学物質」と呼ばれ、産業界で広く使用される一方、健康リスクが指摘されています。
アスベスト
アスベストは、耐熱性が高くかつ強靭な鉱物繊維で、かつては屋根材、床タイル、セメント、車部品などに使用されていました。しかし、破損すると微細な繊維が飛散し、吸入すると肺がんや中皮腫の原因となります。その危険性から、現在は有害産業汚染物質として厳格に規制されています。
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドは建材や家電製品、永続プレス加工の布製品、塗料・接着剤などに使用されます。放出されたホルムアルデヒドは喘息発作や目・鼻・喉の炎症を引き起こすことがあります。2010年に制定された「複合木材製品に関するホルムアルデヒド基準法」により、排出基準が設けられています。
鉛
鉛は工業排出や鉛を含む塗料、航空機用燃料、鉛管などから大気や水へ流出します。主な健康影響は学習障害や痙攣などで、特に子どもが被害を受けやすいです。
水銀
電力発電所は水銀の主要な排出源であり、EPAは2011年以降、水銀を有害大気汚染物質として規制しています。水銀は加熱されると無色無臭の気体となり、胎児の先天性欠損や心臓、腎臓、肺、脳への障害を引き起こす恐れがあります。
