金属を腐食させる酸とは?
適切に取り扱わないと人体や財産に重大な被害をもたらす危険物が多数あります。その中でも酸は特に注意が必要です。WHMIS(職場有害物質情報システム)では、金属を腐食させ皮膚を溶かす危険性のある酸を「クラスE」材料として分類しています。本稿では、金属を食い破る代表的な酸とその特徴を紹介します。
硝酸 (Nitric Acid)
硝酸は無色の強い腐食性液体で、アンモニアを白金触媒上で高温酸化して製造されます。皮膚や眼に重篤な障害を与えるだけでなく、金や白金を除くほとんどの金属を溶かします。金属との反応で生成される生成物は、酸の濃度に依存します。
フッ化水素酸 (Hydrofluoric Acid)
フッ化水素酸は無色で刺激臭のある腐食性酸です。鉱物の溶解、エッチング、表面洗浄などに利用されます。濃度や曝露形態により皮膚組織や骨を溶かす危険があり、金属も同様に腐食します。そのため、耐酸性容器での保管が必須です。
硫酸 (Sulfuric Acid)
濃度10〜90%の硫酸は特に腐食性が強く、100℃以下の条件でチタンやハステロイなどの金属を急速に腐食させます。ジルコニウムやタンタルなどの希少金属は沸点以上でも腐食しにくいとされています。
水酸化ナトリウム (Sodium Hydroxide)
苛性ソーダとも呼ばれる水酸化ナトリウムは無色で、液体または固体として存在します。プラスチックや繊維の製造に広く使用されますが、皮膚や組織に触れると焼損し、アルミニウムや亜鉛などの金属も腐食させます。
