脱水アルムスラッジの利用
廃水処理では、汚染物質の除去が重要です。化学沈殿は、物理的・生物学的プロセスに代わる経済的手段ですが、硫酸アルミニウムを用いると大量のアルムスラッジが副産物として生じます。このスラッジは、肥料原料や湿地構築など、さまざまな有効活用が期待されています。
リン酸の除去
- アルミニウム硫酸塩は飲料水の凝集剤として使用され、処理後に残る脱水アルムスラッジは排水中のリン酸を吸着できます。2010年8月号「Journal of Environmental Science and Health」によると、1 g のスラッジで約13 mg のリン酸を除去できると報告されています。現在はその吸着能力が十分に活用されておらず、さらなる研究が必要です。
肥料の原料
- 水処理施設から排出される窒素・リン酸が藻類の異常増殖(藻類ブルーム)を引き起こす問題があります。2009年11月号「Recent Patents on Food, Nutrition and Agriculture」の研究では、脱水アルムスラッジが効率的に窒素とリン酸を除去し、得られた残渣を肥料原料として利用できることが示されました。
湿地システムの構築
- 脱水アルムスラッジを固形「ケーキ」に加工し、湿地の基材として使用する手法が提案されています。2009年7月号「Journal of Environmental Science and Health」の実証実験では、スラッジ製ケーキを用いた湿地で有機物を最大90 % 除去できました。
農場廃棄物の処理
- 畜産廃棄物はリンと窒素が豊富で、環境放出前に除去が必要です。2009年1月号「Bioresource Technology」の研究では、リードベッドに脱水アルムスラッジを配置したシステムが、廃棄物中のリン・窒素を最大85 % 除去でき、長期的な処理方法として有望であることが示されました。
