湿度校正装置の概要と活用

暖房・換気・空調(HVAC)システムは建物内部の環境を制御します。温度が上昇しても相対湿度が低いままでは、水分が急速に蒸発し、カビや腐食、金属の劣化を招きます。相対湿度は湿度計(ヒュグロメーター)で測定され、定期的な校正が必要です。医療、労働安全、産業機械や車両の安全使用において、正確な湿度管理は不可欠です。

二圧式湿度校正装置

二圧式校正システムは、1つのチャンバーが別のチャンバーに収められた構造です。制御された温度と圧力下で空気または窒素に水蒸気を飽和させ、飽和高圧ガスを減圧弁で低圧チャンバーへ移します。そこでは等温的にテスト圧力に減圧され、所定のテスト温度で校正が行われます。たとえば Kaymont の Humidity Calibrator M2000 は、リモートプローブを用いたチャートレコーダの校正や、複数データ点の同時リニアリティテストが可能です。数分で平衡に達し、全圧域の校正が最速で行えるため、実験室での連続校正に広く利用されています。

M2000 は相対湿度を直接測定・制御するため、誤差を生む変換計算が不要です。内部には乾燥空気用と湿潤空気用の2つのポンプがあり、制御装置が必要に応じて切り替えることで校正時間を大幅に短縮します。

飽和塩溶液による校正

飽和塩溶液を用いた校正は、溶液が入った密閉箱の上部空間に一定の相対湿度を発生させます。この方法は環境温度に左右されませんが、箱内部の温度均一性に強く依存します。JLC International の報告によれば、0.5℃ の温度均一性が確保された場合に最も高精度な結果が得られます。

コンサルタントサービス

大規模な湿度校正プロジェクトには、デンマーク国立湿度測定基準所が提供するコンサルティングが有効です。同所は二圧式システムを用いた校正を実施し、湿度測定・校正の専門支援、センサ開発支援、複数機器を同時に校正できる大容量キャリブレーション空間などを提供しています。

環境衛生 - 関連記事