EPAによる農村部の粉塵規制
米国環境保護庁(EPA)は、大気中の微粒子(PM)排出を規制し、空気質の向上と公衆・環境の健康保護を目的としています。微粒子は金属、酸、すす、ほこりなど多様な成分から構成され、都市部でも農村部でも同一の基準が適用されます。
規制の背景と変更の可能性
現在のEPA基準では、1立方メートルの空気中に含まれる微粒子は150マイクログラム以下と定められています(カリフォルニア州は2003年に50マイクログラムというより厳しい州基準を導入)。2021年に実施された法定レビューでは、基準がさらに厳しくなる可能性が指摘され、特に直径2.5〜10µm(人毛の約1/10)の微粒子に焦点が当てられています。
健康への影響
微粒子は極小であるため、体の自然防御機構をすり抜け、肺の奥まで深く吸入されます。米国肺協会副会長のジャニス・ノーレン氏は「微粒子は肺に深く入り込み、心肺疾患のリスクを高める」と述べています。研究によれば、排出基準をさらに引き下げることで心臓・肺疾患が減少し、医療費の削減や死亡率の低下が期待できます。
農村部からの反論
2010年7月23日付の書簡で、21人の米国上院議員は「農家にとって厳しい基準は負担が大きく、農村経済に悪影響を及ぼす」と主張しました。彼らはEPAに「常識的な判断」を求め、過度な粉塵対策が経済発展を阻害し、農家や事業者に高額なコストを課す恐れがあると警告しています。
2020年9月時点で、EPAは基準を現行のまま維持するか、約50%削減するか、あるいは小幅な削減に留めるかは未定です。
