送電線と健康リスク
電力線とは
電力線は電流が流れることで人工的に発生する見えない電磁界を生み出します。カリフォルニア州の電磁界プログラムによれば、電力線が放出するのは主に50〜60ヘルツの「電力周波数」帯域です。周波数が低いほどエネルギーは小さく、電力周波数帯は低エネルギーに分類されます。
電磁界への曝露
私たちは日常的に電力供給や通信機器、放送設備から発生する電磁界にさらされています。世界保健機関(WHO)は、低周波電磁界が体内に微弱な循環電流を誘発し、神経や筋肉に刺激を与える可能性があると指摘しています。ただし、送電線付近で測定される電磁界は極めて微小で、感電レベルには遠く及びません。
研究状況
これまでに多くの研究が実施されています。1995年に米国物理学会が電磁界の健康影響を検討し、1992年の連邦エネルギー政策法でも5年間の調査結果が報告されました。さらに、1996年にWHO、1999年に米国国立環境健康科学研究所(NIEHS)も同様のテーマで研究を行っています。
研究結果
総合的に見ると、低レベルの電磁界が健康に与える直接的なリスクを示す決定的な証拠は得られていません。WHOは「低レベル電磁界が人の健康に有害であるという証拠はない」と結論付けています。環境要因が生体に何らかの影響を与える可能性はあるものの、健康被害と同義ではないとされています。
対策
送電線の健康リスクが心配な場合は、できるだけ距離を取ることが有効です。距離が遠くなるほど曝露は減少します。カリフォルニア州などでは、学校など公共施設から一定距離以上離すことを義務付ける規制があります。また、同州の公共事業委員会は、顧客に対し無料で磁界測定サービスを提供するよう事業者に求めています。
