油流出が海に与える影響とは

油の種類

油の種類によって環境への影響は異なります。米国海洋大気庁(NOAA)は、油を大きく「軽油」と「重油」に分類しています。

軽油(ガソリンやディーゼルなど)は水面に流出するとすぐに揮発し、環境中に残る時間は短いですが、毒性が高く引火性も強いです。油に触れたり蒸気を吸い込むと動植物に致命的な被害を与え、火災や爆発の危険もあります。

重油(船舶用燃料など)は軽油ほど毒性は低いものの、分解に長い時間がかかります。岸に付着すると固化し毒性は低下しますが、油膜が生物を窒息させるなど、窒息効果で生態系に深刻なダメージを与えます。

主な被害動物

NOAAによると、海面に浮かぶ油に最も接触しやすいのは海鳥です。油に覆われた羽毛は防水性を失い、体温調節ができず死亡します。海獺(ラッコ)も同様に毛皮が油で汚れ、体温保持ができなくなります。魚類は浅い水域や閉鎖された環境でなければ、油の影響は比較的短時間で済むことが多いです。

地域別発生状況

1960年以降、Oil Spill Intelligence Reportは112か国の海域で1万ガロン以上の油流出事例を記録しています。船舶からの流出が多い上位5地域は以下の通りです。

  • メキシコ湾:267件
  • 米国北東部沿岸:140件
  • 地中海:127件
  • ペルシャ湾:108件
  • 北海:75件

油流出の除染方法

油が岸に付着した後は、化学剤、機械的手法、さらには油分解微生物などを組み合わせて環境回復を図ります。除染手段は流出した油の種類と量に応じて選択されます。詳しい手法はリソースセクションをご参照ください。

誤解と実態

多くの人は海上での油流出は主に船舶から起きると考えがちですが、実際はそうではありません。スミソニアン研究所によると、毎年船舶の座礁で約3,700万ガロン、地下油層からは6,000万ガロンが流出していますが、圧倒的多数である3億6300万ガロンは自動車や工業廃棄物から発生しています。

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