触診圧とは何か?
「触診圧」とは、触診法で測定した収縮期血圧を指す用語です。血圧測定は触診法または聴診法で行われますが、いずれの場合もカフは脈が止まる圧に約30 mmHg 上げて充填します。触診圧だけでは完全な血圧測定はできませんが、医師や看護師は最初に触診圧を把握することで、聴診法で測定する際にカフを過度に膨らませるのを防げます。
血圧について
血圧測定は収縮期血圧(心臓が収縮して血液を動脈壁に押し付ける圧)と拡張期血圧(心臓が拡張し安静時に動脈内に残る圧)の2つの数値で表されます。通常は mmHg 単位で「収縮期/拡張期」の形で記載し、正常範囲は 120/80 mmHg 以下とされています。
触診法(触診血圧測定)
触診圧とは、血圧計のカフの圧を徐々に下げながら、橈骨(手首の親指側)の脈拍を指で触れて、脈が再び感じられた圧を記録したものです。カフは上腕の上部に装着し、腕動脈の圧がカフ内圧より高い間は血流が止まります。カフ圧が徐々に下がると、動脈内圧と等しくなった瞬間に脈が戻り、これが収縮期血圧となります。
聴診法(聴診血圧測定)
聴診法は触診法と同様にカフを膨らませますが、肘の内側にある上腕動脈の音を聴診器で聞き取ります。カフ圧が脈を止めた状態から徐々に減圧すると、最初に聞こえるコロトコフ音(第1音)が収縮期血圧を示し、音が消失する第5音が拡張期血圧となります。
触診法で拡張期血圧を測定する可能性
Journal of Anaesthesiology Clinical Pharmacology に掲載された研究では、触診法でも拡張期血圧を正確に測定できる可能性が示されています。従来の聴診法と同様に上腕動脈を触診し、指3本で脈の「ざわめき」を感じ取ります。最初に感じるざわめきが収縮期血圧、短時間消失する瞬間が拡張期血圧です。この方法は 200 人中 191 人で、聴診法と比較して±4 mmHg の範囲内で両方の血圧を測定できたと報告されています。現時点では一般的な手技ではありませんが、頻繁な測定やトレッドミル上での測定、聴診器がない環境での利用が期待されています。
