PO2レベルと高度に伴う症状
高地では酸素量が減少し、組織中の酸素分圧(PO2)も低下します。海面上の酸素濃度は約21%ですが、標高4000メートルでは約40%減少します。高度障害の主な症状は頭痛、吐き気、めまい、息切れです。さらに高度が上がると血管内の圧力低下により体液が失われ、最悪の場合は致命的となります。
PO2レベルと標高
2004年11月号「American Journal of Physiology」に掲載された研究では、デンマークの低地住民を対象に、標高4100メートルで8週間の順化訓練を実施しました。開始時の平均血中PO2は61 mmHgでしたが、2週間後に69 mmHg、8週間後には72 mmHgに上昇しました。研究終了時には、同じ標高に住む被験者群とPO2レベルはほぼ同等となりました。
高地への順化
2002年4月号「Journal of Applied Physiology」の研究では、デンマーク低地住民と標高5,260メートルのボリビア・ラパス住民を比較しました。9週間の順化後、デンマーク被験者の動脈血酸素飽和度は77%に達しましたが、PO2はボリビア住民に比べて依然として低いままでした。
低酸素状態と脳機能
2007年1月号「Clinical Neurophysiology」の研究では、人工的に低気圧を設定した3つの酸素レベル下でEEGと呼吸・PO2を同時測定しました。酸素濃度が低下すると脳波活動が抑制されましたが、PO2が回復すると脳機能も回復しました。結論として、低酸素は神経機能を阻害することが示されました。
過呼吸(ハイパーベンチレーション)
2009年夏号「High Altitude Medicine and Biology」の研究では、低酸素環境下で運動する被験者における過呼吸の効果を検証しました。重度の低酸素は最大酸素摂取量(VO2max)を低下させ、筋肉への酸素供給を減少させましたが、筋組織内に予備的な酸素貯蔵が存在し、運動時に利用できることが示されました。
