高度が変わると体はどう変化するのか?
人間の体は海面レベルでの生活に最適化されていますが、高度が上がると酸素濃度が低下し、適応が必要になります。高度5,000フィート(約1,500メートル)から始まる生理的変化は、酸素供給量と効率を高めることを目的としています。変化はすぐに起こるものもあれば、数週間かけて現れるものもあります。高度が高くなるほど、体は生存のためにより多くの努力を要します。
呼吸数の変化
高度が上がると血中酸素濃度が低下し、数時間以内に呼吸数と呼吸深度が増加します。呼吸が頻繁かつ深くなることで、肺はより多くの酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。これが過呼吸(ハイパーベンチレーション)です。通常、1週間ほどで他の適応が進むと呼吸数は徐々に低下します。
腎臓の排泄調整
過呼吸により血液がアルカリ性になるため、腎臓は尿中に重炭酸イオンを排泄し、体液を酸性側へ戻します。腎臓は血液を濾過し、老廃物を尿として排出する役割を担っており、pHバランスの維持に重要です。
心拍数の増加
高度が高くなると心拍数が上昇し、消化などの非必須機能は抑制され、酸素供給にエネルギーが集中します。時間が経つと心拍数は徐々に平常に戻りますが、心拍数の上昇は即時の適応反応でもあります。
赤血球産生(造血)
高地では赤血球の産生が促進され、血中の赤血球濃度が増加します。この変化は高度に居住し始めてから4〜5日で見られ、酸素運搬能力を高めます。適応が進むと、海面レベルと比べて30〜50%多くの赤血球を持つようになります。
毛細血管の増加
毛細血管は血液と組織間の酸素・二酸化炭素・栄養・老廃物の交換を担う最小の血管です。高地では骨格筋に新たな毛細血管が形成され、酸素が組織に届きやすくなります。
