処理済み下水を飲料水に利用することのデメリット
心理的なイメージ
リサイクル水の最大の課題は、かつて人間の排泄物であった水を飲むという心理的抵抗です。オーストラリアの「Readers Digest」によれば、国立水委員会のジョン・ラドリック委員は「安全なリサイクル水を作ること自体は問題ではなく、飲むことへのイメージが障壁になる」と指摘しています。安全性が確保されても、多くの人が嫌悪感を抱くのは事実です。
細菌・毒素のリスク
下水には細菌やウイルスだけでなく、ステロイド、ホルモン、工業化学物質など様々な有害物質が混在しています。「Readers Digest」では、たとえ微生物をすべて除去できても、これらの化学物質を完全に取り除くのは極めて困難だと述べています。
感染症の拡大リスク
リサイクル水が広範囲に供給されると、万が一汚染が起これば大規模な水系感染症が急速に拡大する恐れがあります。ABCニュースは、カンベラ病院のピーター・コリニョン教授の警告を引用し「一度失敗すれば、数万人から数十万人が病原体に曝露される可能性がある」と報じています。サルモネラ、ノロウイルス、クリプトスポリジウムなどの病原体が検出されており、飲料水に混入すれば広範囲に感染が拡大します。
がんリスク
カリフォルニア州立大学のがん専門家スティーブン・オッペンハイマー氏は「リサイクルプロセスを通過した毒素や発がん物質を検出するテストが未整備であり、未知の有害物質が長期間にわたり健康に影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。オーストラリア総合診療医会の研究でも、慢性的な曝露による発がん性、ホルモン撹乱、重金属、放射線影響が懸念されています。これらは飲料水として使用した場合に限られる問題です。
