体の腐敗は主にどの2段階で進むのか?
死は心臓が停止し、細胞に酸素が供給されなくなる瞬間に始まります。脳細胞は酸素欠乏が3分以上続くと死に至りますが、筋肉細胞は数時間は生き残ります。体温が外部環境に合わせて冷えるまでに約12時間、核心部まで下がるのに約20時間かかります。
死後硬直(リジッドモルティス)
死亡後3〜4時間で、筋肉が酸素供給を失うことにより硬直が始まります。生きている間はカルシウムが筋細胞内外を行き来し、収縮と弛緩を調整していますが、死後はこの流れが止まり、カルシウムが細胞内に蓄積して筋肉が持続的に収縮し、硬直が生じます。この硬直は筋タンパク質が分解され始めるまで続きます。
死後硬直の終息
まず眼瞼・顔・下顎・首の小さな筋肉から硬直が始まり、徐々に全身へ広がります。約30時間後に硬直は逆の順序で消失し、再び小筋肉から緩んでいきます。外傷死などでエネルギーが既に使い果たされている場合、硬直は速く進行します。
分解:ガスの蓄積
硬直が消える頃には体温は環境温度に合わせて冷えており、頭部や首の皮膚が変色し、徐々に胸部・大腿部へと広がります。顔つきは判別できなくなり、腐敗臭が漂います。3日目頃から、細菌が組織を分解し始め、ガスが体内に溜まります。皮膚表面に直径2〜3インチ(5〜7.5cm)の水ぶくれができ、体が膨張し、開口部から体液が漏れ出すことがあります。
分解:皮膚の剥離と墓蠟(グレイブワックス)
約3週間後、毛髪・皮膚・爪が緩み、簡単に剥がれ落ちます(皮膚剥離)。皮膚は裂けて筋肉や脂肪が露出します。暖かい地域では約1か月で骨格まで分解されますが、寒冷地では2か月以上かかることがあります。水中にある遺体では、脂肪が多い部位(頬・大腿部・腹部)に白く砕けやすいワックス状物質「墓蠟」が現れます。これは脂肪が水・水素と細菌酵素と反応し、脂肪酸と石鹸様物質を生成する化学反応の産物で、分解をやや遅らせる働きがあります。
