MPE(最大許容曝露)の計算方法
概要
最大許容曝露(Maximum Permissible Exposure, MPE)は、レーザー放射の安全基準として定められた上限値です。この上限を超えると、可視光・不可視光を問わず、眼や皮膚組織が吸収し損傷を受けます。MPE は波長と照射時間に応じて、W/m² または J/m² の単位で示され、表形式で提供されます。表には直接数値が記載されている場合と、他のパラメータを代入して算出する式が示されている場合があります。
必要なもの
- MPE データ表(UV、可視、IR 各波長帯、眼と皮膚用)
- 電卓または計算アプリ
- 筆記用具(紙とペン)
手順
1. 連続波(CW)レーザーの MPE を求める
- レーザーの波長(nm)を確認する。
- 照射時間を決定する。意図的な曝露か偶発的な曝露かで評価時間が異なる。
- ビームのサイズをミリラジアン(mrad)で概算する。ビームが点光源とみなせる場合は 1 mrad とし、拡張光源は 100 mrad 未満か以上かで分類する。
- 波長帯に対応する MPE 表を選び、波長と照射時間(秒)から該当する MPE 値または計算式を探す。
- 必要に応じて式に照射時間(t)などの変数を代入し、具体的な MPE を算出する。表中に定数や補正係数が示されている場合はそれらも使用する。
2. パルスレーザーの MPE を求める
- パルス幅(秒)、パルス繰り返し周波数(Hz)、波長、照射時間、ビームサイズを測定・確認する。
- 単一パルスの MPE を、連続波と同様の手順で計算する(パルス幅を照射時間として扱う)。
- 繰り返しパルスの場合、単一パルス MPE を
N⁰·²⁵で除算し、N = 繰り返し回数 × 照射時間として補正する。 - 平均的な MPE を求めるため、単一パルス MPE をパルス総数
Nで除算する。 - 単一パルス、繰り返しパルス、平均 MPE の 3 つの値を比較し、最も小さい値をパルスレーザーの最終的な MPE とする。
以上の手順に従って算出した MPE が、対象のレーザー光が安全とみなされる最大エネルギー量となります。
