なぜ都市の水処理プラントは蒸留法を採用しないのか

蒸留プロセスの概要

水を沸騰させて蒸気にし、再び冷却して液体に戻すことで、ほぼすべて(99%以上)の不純物を除去します。主に工業用途で利用され、ミネラルが無いため設備の腐食を防げます。

軟性溶媒としての特性

蒸留水はイオンを含まないため「軟性溶媒」と呼ばれます。イオンが不足している状態を埋めようとして、空気中の二酸化炭素を吸収し、酸性(pHが低い)に変化します。

飲料水としての問題点

  • 処理した水に対して約5倍の水が蒸留過程で失われ、コストとエネルギーが非常に高くなります。
  • ミネラルが除去されるため、人体に必要な栄養素が欠如します。
  • 空気中の二酸化炭素を取り込むことでpHが低下し、飲用に適さない酸性になることがあります(目安はpH7.4)。
  • 長期間の摂取は健康リスクを伴う可能性があります。

都市水処理で蒸留が採用されない理由

上記のエネルギーコスト・水ロス・健康リスクに加え、既存の濾過・消毒技術(膜処理、活性炭、塩素消毒など)がはるかに効率的で低コストです。そのため、公共の給水システムでは蒸留は実用的な選択肢ではありません。

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