米国保健福祉省における公衆衛生管理と政策

米国における公衆衛生の主管機関は保健福祉省(HHS)で、ミッションは「公衆衛生の保護と、自己防衛が困難な人々への必須サービスの提供」です。第21代保健福祉長官カトリン・セベリウスは、健康維持がコスト削減と効率向上だけでなく、生活の質向上につながると語っています。

歴史

公衆衛生は米国政府の創設当初から関心事でした。1798年に制定された法律により、商船乗組員への医療提供を目的とした連邦病院ネットワークが設立され、これが現在の米国公衆衛生サービス(USPHS)の前身となります。その後、大統領指名や議会法案により、食品医薬品局(FDA)、疾病管理予防センター(CDC)、国立衛生研究所(NIH)などの連邦機関が創設・拡充され、現在の保健福祉省(HHS)を構成する11の機関の基盤が築かれました。

範囲・組織

保健福祉省長官室は、研究・公衆衛生・食品・医薬品安全・助成金・保険などを担う11の機関を統括します。インディアン保健サービス(IHS)や子ども・家族局(ACF)、高齢者局(AOA)などを通じて、幅広い米国民に資源が配分されます。すべての機関が健康増進・予防を最優先課題とし、全ての米国民が適切な医療にアクセスできるよう努めています。

予算

2011会計年度の公衆衛生予算は約9106億ドル(9,106.79億ドル)です。予算は議会の法案により増減する可能性があります。メディケアが全体の51%、メディケイドが33%を占め、残りは裁量プログラム、子ども福祉プログラム(CEP)、低所得世帯支援(TANF)などの必須プログラムに配分されます。子ども医療保険プログラム(CHIP)は、低所得の子どもに保険を提供し、特別な支援が必要な子どもへの医療アクセスを拡充します。

2009年2月13日に成立した米国復興・再投資法(ARRA)は、雇用創出や経済活性化、政府の説明責任強化を目的とし、医療記録の電子化による医療ミス削減や医療費削減を支援しますが、ARRAの資金は公衆衛生予算には含まれていません。

政策

長官室は議会の監督下で、所属機関すべての政策・規則を策定します。規則は市民権、財政義務、食品・医薬品安全、福祉サービス、医療・健康、貧困対策、評価、医療情報技術など多岐にわたります。

また、人間研究保護事務所(OHRP)は、HHSが支援するすべての研究プログラムに対し倫理的・安全的監視を行い、研究対象者の安全と福祉を確保します。

主なハイライト

  • 1990年に公衆衛生サービスはヒトゲノム計画を開始し、栄養表示と教育法(Nutrition Labeling and Education Act)により食品ラベルが義務化されました。また、ライアン・ホワイト総合エイズ資源緊急法(CARE Act)によりHIV/AIDS患者への支援が拡充されました。
  • 1995年に社会保障局が独立機関化し、1999年の「就労支援・インセンティブ改善法(Ticket to Work and Work Incentives Improvement Act)」により障害者の就労とメディケア受給が両立できるようになりました。2000年にはヒトゲノム配列が公表され、2010年7月にはオバマ政権が初の全国エイズ戦略(NHAS)を策定しました。

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