遷移金属が優れた触媒となる理由
触媒の作用
触媒は反応に加えても反応の熱力学には影響せず、反応速度を高める物質です。触媒は反応経路に低エネルギーの代替経路を提供し、遷移状態への活性化エネルギーを低減させます。
遷移金属とは
遷移金属は周期表の d ブロックに位置し、d 軌道が部分的に未充填の金属です。すべての d ブロック元素が遷移金属というわけではなく、例えばスカンジウムや亜鉛は d 軌道が満たされているか、d 電子が存在しないため遷移金属には該当しません。
遷移金属が優れた触媒である理由
遷移金属は酸化状態を自在に変えることができ、反応物から電子を受け取ったり供与したりできます。この電子授受能力と、配位化合物を形成しやすい性質が、触媒としての高い性能につながります。
遷移金属は電子の受容体・供与体
例えば銅は Cu2+ と Cu3+ という可変的な酸化状態を持ち、未充填の d 軌道が電子の出入りを容易にします。未充填の d 軌道を持つ遷移金属は、電子を受け取ることも、放出することも迅速に行えるため、触媒に適しています。
遷移金属の作用機序
遷移金属は反応物と配位複合体を形成します。反応が電子供与を必要とすれば金属は酸化され、逆に電子が過剰になる場合は還元されて電子を吸収します。このように酸化還元の可逆的な変化と、金属表面や配位複合体の吸着特性が、反応を促進します。
