動物の狂犬病はどのように検査するのか?
狂犬病の確定診断は、動物の脳組織サンプルを用いた検査です。この検査を行うには、対象動物を安楽死させる必要があります。
ペットや家畜の場合、米メイヨークリニックは 10 日間の観察を推奨しています。狂犬病に感染している場合、その期間内に症状が現れます。
獣医が確認するポイント
感染後、症状が出るまでに2週間以上、場合によっては数か月かかることがあります。一般的に口から泡が出るなどの激しい行動がイメージされますが、狂犬病には「鈍性(dumb)」と「激しい(furious)」の2タイプがあります。
- 鈍性狂犬病:動物は抑うつ状態になり、孤立した行動を取ります。野生動物は人間への警戒心を失い、奇妙な表情や後肢の引きずり、顎や頭部の垂れなどの麻痺症状が見られます。
- 激しい狂犬病:自分や他の動物、無機物を噛み砕くような攻撃的行動が見られ、抑うつ状態と交互に現れることがあります。
直接蛍光抗体検査(DFA)
この検査では、動物の脳幹と小脳から組織サンプルを採取し、狂犬病ウイルス抗原を蛍光標識抗体で検出します。検体は安楽死した動物から取得します。
結果は約2時間で得られ、実験室からの報告は通常24〜72時間以内に出ます(米CDC)。
組織学的検査
DFA が確立される以前は、脳組織を顕微鏡で観察し、特有の病変や炎症を確認していました。しかし、この方法は診断的な確実性が低く、現在は補助的な手段としてのみ用いられます。
唾液検査
狂犬病ウイルスは唾液中にも存在しますが、出現は断続的です。生きた動物の唾液からウイルスを検出するには、極めて高感度な検査が必要で、実用的な検査法は確立されていません。
人間の診断
人が狂犬病に感染したかどうかは、複数の検体を用いた検査で確認します。具体的には、唾液の繰り返し検査、皮膚生検で採取した毛根の抗原検査、血清や脊髄液中の抗体検査が行われます(米NIH)。
人間の症状
感染は必ずしも噛まれたことが原因とは限りません。感染動物の舐めた唾液が開放創や粘膜に触れるだけでも感染リスクがあります(ペンシルベニア州立大学)。
潜伏期間は30〜50日で、初期症状は筋肉痛、下痢、発熱、悪心、落ち着きのなさです。その後、興奮、イライラ、制御不能な興奮、筋痙攣、麻痺、錯乱や幻覚へと進行します。症状が出た時点でウイルスは脳に侵入しており、治療法はありません。死亡は症状発現後3〜20日で起こります。
