河川水質分析
河川の水質をモニタリングし分析することは、飲料水の安全確保や人間の健康、野生生物、レクリエーション漁業の保護に不可欠です。また、季節的に水質が低下し釣りに影響が出るなどの問題を評価・改善するためにも活用されます。流域全体の活動—降雨や地下水の流れによって河川に供給されるすべての土地利用—が水質に影響を与えます。
溶存酸素
藻類の異常増殖(藻類ブルーム)は栄養塩の増加が原因で、溶存酸素を低下させます。農業や住宅地からの肥料が表面流出で河川に流れ込み、植物と藻類の過剰成長を引き起こし、酸素が減少します。溶存酸素は魚類をはじめ水生生物の生存に不可欠で、低酸素環境では外来種が優勢になることがあります。酸素濃度はプローブで常時測定します。
pH
水中の自由水素イオンと水酸化物イオンの比率がpHを決定し、酸性かアルカリ性かを示します。水中の化学物質がpHに影響し、水生植物や動物の健康に大きく関わります。酸性が強いと飲料水は苦味を感じることがあります。pHもプローブで連続的に測定します。
濁度
濁度は水の「濁り具合」を示す指標です。濁度が高いと植物や魚は生育しにくくなります。現場ではセキディ円盤を用いて視認できなくなる深さで測定し、実験室では濁度計で数値化します。
クロロフィル
河川水中のクロロフィル濃度が高いと、肥料流出による栄養塩過剰と藻類の大量発生を示します。クロロフィルは採取した水サンプルを蛍光分光光度計で分析して定量します。
栄養塩
窒素(硝酸塩)やリン(リン酸塩)などの栄養塩はEPAが定めた上限値があり、継続的に監視が必要です。肥料の流出が水質を悪化させ、植物や動物群集の構成を大きく変化させます。測定は採取水の分光光度計分析で行います。
化学汚染物質
農薬(殺虫剤・除草剤)やその他の化学物質は河川に「カクテル」状で混在し、人体へのリスクや両生類など野生生物への致死的影響があります。これらの濃度もEPAの基準で規制され、流域の農業活動と関連付けてモニタリングします。
