ニコチンの実態と影響
ニコチンはタバコに自然に含まれる強い依存性を持つ化学物質です。喫煙をやめようとすると激しい禁断症状が現れ、禁煙が困難になる主な原因です。ニコチン依存は喫煙継続を招き、肺がん、慢性気管支炎、肺気腫などの重篤な疾患リスクを高めます。
体内への移行
喫煙時に吸い込んだニコチンは肺に深く入り、速やかに血液に吸収され全身へ運ばれます。脳、血管、ホルモン系、代謝に影響を及ぼし、母乳や胎盤を通過して胎児にも届くことが確認されています。米国がん協会によれば、喫煙者は禁煙後3~4日経っても体内にニコチンが残存するとされています。
脳への影響
血流に乗ったニコチンはわずか8秒で脳に到達し、覚醒感を高めます。アセチルコリンに似た構造を持つため、神経伝達を刺激し、心拍数や呼吸数を上昇させます。また血糖が放出され、注意力が向上したように感じます。
ニコチンとドーパミン
脳内でニコチンはドーパミン放出を促す神経細胞に結合し、通常より多くのドーパミンを分泌させます。ドーパミンは報酬・快感回路に関わり、学習、食欲、記憶、快感に影響します。過剰なドーパミンが快感をもたらし、約40分で効果が薄れると再度喫煙したくなる衝動が生じます。
依存のメカニズム
ニコチンの効果が薄れ再び喫煙すると、脳はドーパミン産生を減少させて適応します。その結果、正常なドーパミン量を保つために喫煙が必要となり、ドーパミン不足で抑うつやイライラが生じ、ニコチンへの渇望が依存を固定化します。
禁断症状
喫煙量を減らす、または完全にやめようとすると、体はニコチン不足に反応しさまざまな禁断症状が現れます。数週間喫煙していただけでも症状は出ることがあり、数日から数週間続くことがあります。禁煙後1〜2日でめまいを感じ、抑うつ、怒り、イライラ、不安感が典型的です。集中力低下、睡眠障害、頭痛、落ち着かない感覚も報告されています。
