タバコの歴史・現状・リスクと対策
世界保健機関(WHO)によると、全世界で11億人以上がタバコを吸っています。つまり、世界人口の約6分の1がニコチン依存に陥っていることになります。喫煙の危険性に関する医学的情報が豊富にあるにも関わらず、タバコメーカーは依然として年間数兆本の紙巻きタバコを生産し、特に途上国での消費は増加傾向にあります。
歴史
「シガレット(cigarette)」という名称は18世紀のスペインに由来すると言われています。当時、タバコを買えない人々は廃煙草の端を新聞紙で巻いて吸っていました。この新聞紙巻きの習慣はクリミア戦争を通じてヨーロッパ全土に広がり、第一次・第二次世界大戦でも兵士の配給品としてタバコが支給されたことが、20世紀後半まで続く喫煙文化の根底を形作りました。
進化
シガレットは元々手巻きのミニシガーとして始まりましたが、すぐに工業的に製造される商品へと変化しました。一般的な紙巻きタバコは、タバコ葉、紙、PVA接着剤、セルロースアセテート製フィルターから構成されます。多くのブランドで使用されるタバコは、100種以上の成分(添加物や香料を含む)をブレンドしています。
特徴
近年のシガレット用紙は通気孔が設けられ、燃焼をコントロールできるようになっています。マウスピースとフィルターはタバコ葉を唾液から守り、肺への刺激を和らげます。フィルター内部にはレーザー加工された多数の細孔があり、1950年代以前のタバコと比べて、ブレンドされた葉、再構成葉、アンモニウム系添加剤、拡張茎、保湿剤、甘草エキスなど多様な成分が加えられています。
種類
各国には独自のタバコ葉や製造方法があり、ブランドも多岐にわたります。代表的なブランドにはウィンストン、キャメル、クール、セイラム、ドーラル、パルマル、パーラメント、バージニアスリムス、ダンヒル、バイエロイなどがあります。また、サンタフェ・ナチュラル・タバコ・カンパニーが提供する「ナチュラル・アメリカン・スピリット」シリーズは、自然派ブレンドを求める喫煙者に人気です。
リスク要因
喫煙依存の主因はニコチンですが、健康被害の主因は他の化学物質です。肺がん患者の約85%は喫煙が原因とされ、診断後3年以内に死亡するケースが8割に上ります。タバコ煙にはタール、ニコチン、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、シアン化水素、ベンゼン、アンモニウムなどが含まれ、これらががんや心血管疾患の原因となります。喫煙しなくても、受動喫煙により同様の健康リスクが生じます。
現状と対策
多くの国で警告ラベルの表示や喫煙禁止条例が導入されています。米国では年間390億本のタバコが消費されており、公共施設や職場での喫煙が法律で禁じられています。心臓病やがん、肺気腫への恐怖が、レストラン、バー、公園などでの禁煙を促す政策の原動力となっています。
