車椅子バンの安全対策
車椅子利用者を輸送するバンは、通常の車両と同様に安全であることが求められますが、特に衝突時の火災防止や乗員の保護に関しては、特別な基準が設けられています。ここでは、車椅子バンを安全に使用するためのポイントをまとめました。
安全要件
-
バンを車椅子仕様に改造する場合、または既に車椅子対応車両を購入する場合は、米国道路交通安全局(NHTSA)が定める安全基準を満たす必要があります。具体的には、前面・側面・後面からの衝突に耐え、ガソリンタンクから液体が漏れないことが求められます。
衝突試験は、前後から30 mph、側面から33.5 mphの衝撃に耐えることが条件です。また、バンを逆さまにした状態で回転させ、液体が漏れないかのテストも実施されます。
整理整頓
-
車椅子が設置されているスペースの周囲に余計なものを置かないようにし、衝突時に破片が乗員に当たらないようにします。どうしても残す必要がある物は、密度の高いクッションで覆って安全性を確保してください。
安全上の留意点
-
車椅子を固定するアンカーポイントは、常に清掃し、破損や緩みがないか定期的に点検しましょう。汚れや破片が付着していると、固定が不十分になる恐れがあります。
車椅子のタイプ
-
理想的には、車両内でシートとして使用できるように設計・試験された「トランジット車椅子」を選びます。この種の車椅子は、衝突試験で合格した固定ポイントが備わっており、フックやストラップでしっかりと固定できます。
入手が難しい場合は、金属フレームが露出している車椅子を選び、フックやストラップで固定できるようにしましょう。
車椅子の配置
-
背もたれは垂直に対して30度以下の角度で設置します。もしそれ以上にリクライニングさせる必要がある場合は、シートベルトのアンカーポイントを車両側壁の後方へ移動させ、常に胸と肩にベルトが密着するよう調整してください。
頭部サポート
-
乗車中に首や頭部のサポートが必要な場合は、硬いヘッドストラップや頑丈なカラーよりも、柔らかいネックカラーを使用する方が安全です。硬い装具は衝突時に首を負傷させるリスクがあります。
ただし、柔らかいカラーをシートに固定しすぎないよう注意してください。
必要装備
-
バンには消火器、救急キット、反射式道路三角板を常備し、万が一の故障や事故に備えましょう。また、体液の清掃用キットが必要と考える場合は、併せて用意しておくと安心です。
以上のポイントを守ることで、車椅子バンの安全性を高め、乗員が安心して移動できる環境を整えることができます。
