肥満手術(バリアトリック手術)のリスクと合併症
バリアトリック手術(体重減少手術)は、胃や腸の構造を変えて食事摂取量を制限し、肥満に伴う健康リスクを低減させる手術です。現在、主に4種類が実施されており、手術ごとに固有のリスクがあります。以下では、一般的なリスクと各手術法別の主な合併症をまとめました。
一般的なリスク
- 全身麻酔に伴う血栓、脳卒中、肺感染、心筋梗塞、最悪の場合は死亡リスク(年齢・既往歴により変動)
- 胆石や胆嚢炎の発症率が通常より高くなる
ラップバンド手術(調整式胃バンド)
- 術後の出血や血栓形成
- バンドやポート周囲の感染
- バンドのずれ・侵食、再手術が必要になるケース
- 満腹感が得られず、過食によるバンド周囲の閉塞や胃の拡張が起こる可能性
胃バイパス手術(Roux-Y胃バイパス)
- 出血、胃潰瘍、脱水、腎結石、低血糖、ビタミン・ミネラル欠乏
- 切開部ヘルニア、腸管狭窄、縫合部からの漏れ
- ダンピング症候群(食後の急速な内容物流出)による下痢、発汗、吐き気、嘔吐
胆膵転流術+十二指腸スイッチ(BPD/DS)
- 慢性的な下痢と強い悪臭のガス
- 切開部ヘルニア
- ビタミン・ミネラルの吸収不良による骨代謝障害、貧血、タンパク質欠乏などの栄養障害
垂直バンド胃形成術(VBG)
- ステープルの破損による腹腔内漏出
- バンドのずれ・侵食、胃ポーチの拡大
- 逆流性食道炎、嘔吐、腹部ヘルニア(約10〜20%)
- 創部感染、過度の出血、ビタミン欠乏
