手術後の血栓リスクと対策
原因
手術後は痛みやドレーンのために安静が続き、足の動きが制限されます。その結果、血流が滞りやすくなり、血栓ができやすくなります。また、手術中に脚を曲げたりねじったりすることで血管壁が刺激・損傷し、血栓形成が促進されます。
症状
血栓ができた部位(主に脚)では、痛み、熱感、発赤、腫れが見られます。血栓が肺に流れ込む(肺塞栓)と、息切れや胸痛が起こります。
対象となる手術の種類
すべての手術で血栓リスクはありますが、特に股関節や膝関節の手術はリスクが高いです。膝・股関節置換術を受けた患者の30〜50%が血栓を発症すると報告されています。長時間ベッド上で過ごす手術全般がリスク要因となります。
リスク要因
以下のような背景を持つ人は血栓ができやすくなります。
- 喫煙者
- 肥満
- 高血圧
- 経口避妊薬やホルモン補充療法を使用している人
治療法
血栓は抗凝固薬(例:ロベノックス、クマジン)で治療します。手術後に医師が処方し、6〜12週間服用が必要です。血中濃度を確認するための血液検査や、超音波・X線で血栓の経過を観察します。
予防・対策
最も効果的な予防は早期の歩行です。手術の種類にもよりますが、可能な限り手術当日または翌日から軽い歩行を開始します。また、弾性ストッキングや間欠的空気圧迫装置(ポンプ)を使用して下肢の血流を促進し、血栓形成を防ぎます。
