高齢者における股関節手術の必要性と合併症
股関節手術は本当に必要か?
米国では毎年19万件以上の股関節置換術が実施されており、成功率は高いです。腫瘍や無血管壊死、股関節骨折といった重症例では手術が不可欠となります。しかし、回復に時間がかかり、若年者に比べてリスクや合併症が増えるため、医師はできるだけ高齢者への手術を慎重に検討します。
全股関節置換術(人工関節)とは
全股関節置換術は、変形した股関節の骨や軟骨を人工材料で置換する手術です。骨盤の寛骨臼(acetabulum)を除去し、大腿骨の上部に金属製のボールとステムを埋め込み、プラスチック製のカップで覆います。これにより、痛みの軽減と可動域の改善が期待できます。
股関節置換術の主な合併症
全股関節置換術には、麻酔に伴う不整脈、肝機能障害、肺炎などの一般的リスクがあります。また、下肢の血栓が肺塞栓症を引き起こし、呼吸不全や急性ショックに至ることもあります。術後は排尿障害、皮膚や関節の感染、他部位の骨折、可動域制限、瘢痕組織の形成、人工関節の破損などの合併症が報告されています。
人工関節(プロテーゼ)とは
人工関節は、メチルメタクリレートというセメントで固定する方法と、骨が微細な孔に侵入して固定されるセメントレス方式があります。どちらの方法も、長期的な安定性と機能回復を目指して設計されています。
日常生活での注意点
高齢の一人暮らしの方は、転倒や足元の不安定さで股関節が突然脱臼するリスクがあります。家族や介護者は、毎日数分でも声掛けや見回りを行い、長時間床に倒れたままになることを防ぎましょう。早期のチェックが健康維持につながります。
