高齢者における股関節手術後の感染治療

股関節手術は高齢者に比較的多く行われます。加齢に伴う骨密度の低下で骨が脆くなり、骨折リスクが高まります。そのため、手術後に感染が起きると、治療は慎重に進める必要があります。

手術後の感染

初回の股関節手術で感染が起こる率は約1%です。感染の種類や深さに応じて、抗生物質投与からインプラント除去まで治療法が異なります。関節置換術では、人工関節の無機素材が自然な関節のように細菌と戦うことができないため、細菌が増殖しやすく感染が生じやすくなります。

抗生物質治療

抗生物質は感染予防の第一選択です。手術前に投与し、手術中も継続します。術後に感染が認められた場合は、まず抗生物質が用いられ、通常は約6週間の投与が行われます。

二段階インプラント除去

手術後2か月以上経過して感染が確認された場合は「遅発性感染」と呼ばれます。この場合、まずインプラントを除去し、抗生物質を含んだスペーサーで置換します。その後、少なくとも6週間の静脈内抗生物質投与が必要です。感染が完全に消失したと判断された後に、再度インプラントが埋め込まれます。

単段階インプラント除去

単段階法では、外科医がインプラントと周囲の感染組織を同時に除去し、抗生物質スペーサーで洗浄した後に新しい股関節を埋め込みます。二段階法に比べて手術回数が減るため、体力が低下した高齢患者に選択されることがあります。

最終手段の治療

最終的な手段としては、股関節固定術(大腿骨と骨盤をスクリューやプレートで固定し、骨癒合を促す)やギャードルストーン手術(人工関節を全て除去し、代替物を入れない)があります。固定術は骨が結合しにくく失敗することが多く、ギャードルストーン手術を受けた患者の多くは歩行補助具が必要となり、術後も疼痛が残ります。

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