代替治療法の概要
近年、関節鏡手術や股関節リサーファシングなど、切開が小さく回復が早い代替治療が登場しています。主に若年で活動的な患者を対象としていますが、年齢に限らず適応できるケースがあります。変形性関節症が進行し、置換手術が唯一の選択肢になる前に、以下の2つの代替手段を検討してみてください。
問題の把握:股関節鏡検査
股関節鏡(ヒップアーソコピー)は、関節内の軟部組織損傷や骨棘除去に有効です。代表的な病変は、寛骨臼の軟骨縁(ラブラム)に起こる裂傷です。外傷、加齢、過度の使用によりラブラムが裂け、関節内で骨頭と寛骨臼の間に挟まると、激しい痛みと可動域制限を引き起こします。
大きな切開を避ける:股関節鏡手術
股関節鏡手術は、数ミリの小さなポータル(入口)から硬性ファイバースコープを挿入し、関節内を直接観察しながら治療を行います。ラブラム修復、関節内の遊離体除去、骨棘の削除などが可能です。低侵襲で外来手術が主流であり、若年患者の手術回数を減らす効果があります。
股関節リサーファシング
リサーファシングは、金属製の寛骨臼カップと金属製のフェモラルヘッド(球)を装着する手術ですが、全置換手術とは異なります。大腿骨頭は完全に切除せず、表面を削って金属製のカバー(キャップ)を装着します。これにより、患者自身の骨が残り、歯のクラウンのように“被覆”される形になります。
主に65歳未満の男性、55歳未満の女性に適応され、骨量を温存できる点がメリットです。手術後のリハビリは比較的短く、早期に活動復帰が期待できます。
「少ない方が良い」ケースもある
American Academy of Orthopedic Surgeons(AAOS)によれば、リサーファシングは高度な変形性関節症を抱える若年層の有力な代替手段です。骨を大幅に削除しないため、将来的に全置換が必要になった場合でも、再手術が比較的容易です。
現在、適切な研修を受けた整形外科医が全国の病院で実施しています。自身に適した治療法かどうかは、担当医と十分に相談してください。
