部分子宮摘出(子宮頸部温存)手術の概要と留意点
子宮全摘出(全子宮摘出)だけが選択肢だった時代は過去のものです。現在では、子宮は摘出しつつ子宮頸部を温存できる部分子宮摘出(子宮頸部温存子宮摘出)という手術が可能です。子宮頸部は子宮と膣をつなぐ首のような役割を果たし、膣の潤滑と骨盤臓器の安定に寄与します。
手術の概要
部分子宮摘出は子宮を外科的に除去し、子宮頸部は残す手術です。医師は子宮を体から切り離し、靭帯や組織を切除した後、子宮だけを取り除きます。
メリット
全子宮摘出に比べて回復期間が短く、子宮頸部が残ることで膣の潤滑が維持され、乾燥や性機能障害のリスクが低減します。また、子宮頸部は骨盤内臓器を支える靭帯の付着部でもあるため、温存することで骨盤のサポートが保たれます。
手術方法の種類
主に以下の2種類があります。
- 腹式子宮摘出(開腹手術):腹部に切開を入れ、子宮を直接取り出す従来の方法です。
- 腹腔鏡下子宮頸部温存子宮摘出(腹腔鏡式):3つの小さな切開を行い、腹腔鏡と手術器具を使用して子宮を分割・除去します。創傷が小さく回復が早いのが特徴です。
検討すべきポイント
子宮が疾患や肥大を伴う場合は腹腔鏡式が適さず、腹式手術が必要になることがあります。また、手術中に子宮頸部に病変が見つかった場合は、頸部も除去せざるを得ません。過去に子宮頸部疾患や子宮頸がんの既往がある女性は、頸部温存が最適でないことがあります。
リスクと注意点
手術全般に伴うリスクがあります。麻酔に関する副作用(軽度のかゆみや蕁麻疹から重篤なアレルギー反応まで)や、手術中の臓器損傷、血管損傷、術後感染などが挙げられます。卵巣に問題が生じた場合、部分子宮摘出から全子宮摘出へ変更されることもあります。
