膝関節置換術の概要と定義

膝関節置換術(膝関節形成術、膝関節全置換術)は、整形外科医が実施できる最も大規模で高度な手術の一つです。大きな切開から骨に達し、健康な骨の一部を切除し、全膝関節を取り除いた上で、人工関節を関節内に設置します。

機能

膝関節置換術の主な目的は、損傷した膝関節を人工のプロテーゼで置き換えることです。多くの場合、軟骨がすり減り骨同士が摩擦する末期の変形性関節症が原因です。また、外傷により関節が破壊されたケースでも、機能回復のために置換が選択されます。

種類

  • 標準全膝関節置換術:膝の正中部に6〜10インチ(約15〜25cm)の切開を行い、関節を露出させて骨を切除し、人工関節を固定します。
  • 低侵襲全膝関節置換術:切開を小さくし、関節鏡や特殊器具で視野が確保できない部位を操作します。
  • 部分膝関節置換術:膝の側面から切開し、損傷した部位だけを人工関節で置き換えます。

手術の流れ

いずれの手術でも共通する目標は、欠損・変性した骨を除去し、人工素材で代替して正常な膝の機能を再現することです。手術時間は患者の状態や手術法により1.5時間から3時間以上になることがあります。

メリット

膝関節置換術の利点は、痛みの軽減と生活の質の向上です。末期の変形性関節症や重度の外傷で長期間苦しんでいた患者は、手術後に歩行や日常動作が可能になり、術前の痛みの程度に驚くことが多いです。

誤解と注意点

「人工膝は元の膝と同等、あるいはそれ以上に機能する」という誤解がありますが、実際には痛みの軽減は期待できても、自然の膝ほどの柔軟性や耐久性はありません。人工関節は歩行・サイクリング・水泳など低負荷の運動に適していますが、激しいスポーツは避ける必要があります。適切な体重管理、リハビリ、栄養管理が重要で、人工関節は時間とともに摩耗します。一般的に一生に二回程度の置換が限界とされています。

膝の手術 - 関連記事