膝関節置換術の概要と回復プロセス
原因
膝関節置換術の主な適応は変形性膝関節症です。健康な膝では、軟骨が大腿骨(大腿骨)、脛骨(脛骨)および膝蓋骨(膝蓋骨)の表面を覆い、骨同士がすり減らないようにし、滑らかな動きを支えます。変形性膝関節症ではこの軟骨が摩耗し、骨が直接擦れ合うことで疼痛とこわばりが生じます。関節リウマチや外傷も膝関節置換の原因となります。関節リウマチは滑膜の炎症により軟骨が破壊され、同様に痛みとこわばりを引き起こします。
手術
保存的治療(理学療法や膝への注射など)が効果を示さない場合に手術が検討されます。手術適応の目安は、持続的な膝の痛み、睡眠障害、仕事への支障、あるいは数ブロック以上歩行できないほどの疼痛です。
全膝関節置換術は通常2〜4時間で行われます。外科医は膝上部に約10〜25cmの切開を加え、膝蓋骨を除去し、関節鏡やロンジューアと呼ばれる重機械で損傷した軟骨や骨棘を除去します。その後、大腿骨・脛骨・膝蓋骨を人工金属・プラスチック製のインプラントに合わせて形状を整え、特殊なセメントで固定します。切開はステープルまたは縫合糸で閉鎖されます。
回復
手術後は入院期間が3〜5日です。術後翌日にはベッドから起き上がり、歩行が可能となります。入院中は1日2回の理学療法を受け、退院後は外来リハビリテーションを週2〜3回、2〜6か月間継続します。自宅でも膝の屈伸を促すエクササイズを毎日行うことが推奨されます。
日常生活への復帰
手術後6〜8週間で車の運転や仕事復帰が可能になることが多いですが、膝の可動域が完全に回復するまでには1年ほどかかることもあります。リハビリが終了すれば、ウォーキングや水泳、ゴルフなどの低衝撃運動は再開できますが、ランニングやコンタクトスポーツなどの高衝撃活動は避けてください。
リスク
膝関節置換術の主なリスクは出血、感染、麻酔に対する副作用、近隣血管・骨・神経の損傷です。特に術後の細菌感染は速やかに治療しなければ、血流を通じて人工関節に広がる恐れがあります。副鼻腔炎、尿路感染、呼吸器感染、歯科治療による感染症など、軽度の感染症でも早期に対処することが重要です。
