血液輸血なしで行う手術の実践ガイド
近年、技術と医療機器の進歩により、血液輸血を行わずに高度な手術を安全に実施できるようになりました。米国では血液レス手術センターが多数存在し、AIDSや肝炎のリスク回避のためにも注目されています。非血液性容積拡張剤や鉄剤投与、電気止血、低血圧麻酔、そして手術中に失血した血液を回収・再輸血するオートトランスフュージョン装置の活用により、血液レス手術は実用的です。
必要なもの
- 非血液性容積拡張剤(生理食塩水、乳酸リンゲル液、デキストラン、ヘマセル、ヘタスターチなど)
- 鉄剤(筋肉内または静脈内投与用)
- 手術中失血回収装置(セルセーバー)
- 電気止血機器
- 低血圧麻酔薬(ナトリウムニトロプルシド、ニトログリセリン、トリメタファンなど)
手順
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1. 非血液性容積拡張剤での輸液
手術中は血液の代わりに生理食塩水や乳酸リンゲル液といった結晶性液体を投与します。これらは低コストで血液と相性が良く、室温保存が可能です。デキストラン、ヘマセル、ヘタスターチ(HES)などの膠質液も使用できます。毒性が低く、感染リスクがない点が利点です。
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2. 失血の回収と自動再輸血
手術中に失われた血液はセルセーバー(術中血液回収装置)で吸引・濾過し、患者自身の血液として再び体内に戻します。これにより実質的な失血量を大幅に減少させます。
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3. 電気止血の使用
電気止血機器で血管や組織を焼灼し、即座に血流を止めます。機器は比較的安価で、出血部位を迅速に封鎖できるため、出血リスクを最小化します。
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4. 鉄剤投与で赤血球生成促進
筋肉内または静脈内に鉄剤を投与し、体内での赤血球生成を通常の3〜4倍に高めます。鉄はヘモグロビンの構成要素であり、酸素運搬能力を向上させます。
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5. 低体温誘導
特定の薬剤を用いて患者の体温を低下させることで代謝を抑え、出血を抑制します。ただし、適用は手術の状況により限定されます。
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6. 低血圧麻酔の実施
手術中に血圧を意図的に低下させる低血圧麻酔を行います。ナトリウムニトロプルシド、ニトログリセリン、トリメタファンなどが主な薬剤です。適切に管理すれば、ほとんどの患者で安全に使用できます。
