脊椎固定手術後の腹部合併症

脊椎固定手術は、変形や外傷で歪んだ脊椎を正しい位置に戻し、痛みを軽減する目的で行われます。前方(前方固定)または後方(後方固定)からアプローチし、骨移植と金属インプラントで固定部位を融合させます。

腸管合併症

米国整形外科医会(AAOS)によると、脊椎固定術後に腸の動きが低下し、腸閉塞様の状態(麻痺性イレウス)になることがあります。胃の排出が約24時間止まり、大腸の運動が72時間以上停止することも報告されています。

腹壁ヘルニア

前方腰椎手術では、腹壁に弱点ができ、内臓が突出する腹壁ヘルニア(切開ヘルニア・腹壁ヘルニア)を発症することがあります。全ヘルニアの10〜15%を占め、症状が軽いものは経過観察で済むケースが多いですが、疼痛や吐き気を伴う場合は手術が必要です。

尿管損傷

鋭利な手術器具によって、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿管が偶発的に切断されることがあります。米国国立生物工学情報センター(NCBI)の症例報告では、前方固定手術中に尿管が損傷し、腎機能低下と感染を引き起こした例が紹介されています。

留意点

Asian Cardiovascular & Thoracic Annalsによれば、前方固定は後方固定に比べ腹部合併症のリスクが高いと指摘されています。そのため、可能であれば後方アプローチを選択することが推奨されます。

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