メイヨークリニックによると、ほとんどの人が一度は腰痛を経験します。多くの場合、シンプルな治療で痛みの期間や強さを軽減できますが、症状が慢性化すると、より積極的な治療が必要になることがあります。その一つが、痛み管理のために体内に埋め込む医療機器です。

主な植込み医療機器の種類

  • 脊髄刺激装置(Spinal Cord Stimulator)
  • 硬膜内薬剤投与ポンプ(Intrathecal Drug Delivery System、通称モルヒネポンプ)

脊髄刺激装置(SCS)

脊髄刺激装置は、慢性的または重度の腰痛に対して使用される植込み型デバイスです。まずは一時的な試験装置を装着し、電極を脊髄に接続して外部バッテリーで刺激の効果を確認します。効果が認められた場合、永久的な手術が行われます。電極は痛みが最も強い部位の脊髄レベルに慎重に配置され、体内に埋め込まれた小型バッテリーと接続されます。この装置は電気パルスを送り、脳への痛み信号の伝達を遮断します。

主な副作用・リスク

  • 手術部位の腫れ、内出血、頭痛などの一般的な外科的リスク
  • 長期間にわたる疼痛や電極部位でのショック感覚
  • 稀に装置の除去が必要になるケースや、重大な合併症として障害や死亡の可能性(極めて低い)

硬膜内薬剤投与ポンプ(モルヒネポンプ)

硬膜内薬剤投与ポンプは、脊髄液内に直接鎮痛薬を注入する装置です。こちらもまず試験期間が設けられ、薬剤を脊髄液に注入して効果を確認します。試験が成功すれば、カテーテルを脊髄液に通し、腹部または背部下部の皮下にポンプ本体を埋め込む手術が行われます。ポンプは数ヶ月ごとに医師が薬剤を補充し、経口鎮痛薬の使用量を減らしつつ、強い副作用を抑えて痛みを管理します。

主な副作用・リスク

  • 手術一般に伴う出血、内出血、感染リスク
  • 硬膜内液漏れによる激しい頭痛や、稀に麻痺
  • ポンプの故障や誤作動、これに伴う追加手術の必要性

いずれの装置も、適切な診断と試験期間を経てから本格的に導入されます。手術前にリスクとベネフィットを十分に検討し、専門医と相談することが重要です。