肺切除術の副作用
定義
肺切除術(肺全摘術)は、病変や損傷した肺全体を外科的に除去する手術です。主に大きな肺がんや複数部位に広がったがん、外傷による肺組織の損傷、主要肺血管付近の腫瘍などに適用されます。全身麻酔下で行われ、胸腔鏡手術が可能な場合もありますが、従来は開胸術(胸部切開)で肋骨を広げて実施します。
全身麻酔・手術に伴う一般的な副作用
全身麻酔に対するアレルギー反応や呼吸抑制が起こることがあります。
手術中の出血、血栓形成による脳卒中や心筋梗塞のリスクがあります。
術前に心血管系など全身の健康状態を慎重に評価します。
手術部位特有の副作用
肺だけでなく、気管支や大血管をクランプ・切断するため、出血や胸腔内への空気漏れ、気管支縁部の不適切な癒合が起こる可能性があります。
手術中に胸腔内に血液・空気・液体がたまることがあるため、術後に胸腔ドレーンを一時的に留置します。
術後の副作用
切開部の疼痛は一般的で、鎮痛薬で管理します。
肺炎のリスクがあるため、呼吸療法士による深呼吸・咳嗽指導が行われます。
血栓予防のため、圧迫ストッキングの着用や早期離床・歩行が推奨されます。
長期的な副作用
退院後も疼痛が残ることがあります。
運動時の息切れは最も頻繁に報告される長期症状で、術後6か月までに約60%の患者が経験します。
肺機能は術後1〜2年かけて徐々に回復することが期待されます(例:ペンシルベニア大学医学部外科准教授ジョセフ・B・シュラガー博士)。
