血管外科医と心血管外科医の違い

かつては、風邪を診る医師が盲腸手術や出産まで担当していましたが、医学の進歩により、一般医師がすべての領域に精通することは不可能になりました。そのため、医師は特定の分野に専門化し、外科医もさまざまな専門分野に分かれています。

外科医とは

米国労働統計局によると、外科医は「外傷、疾患、変形を手術で治療する」専門家です。一般外科医は体のさまざまな部位を手術できる一方で、特定の部位や疾患に特化した外科医が存在します。心血管外科医と血管外科医はその代表的な専門医です。

対象となる部位

  • 心血管外科医は胸部の臓器、特に心臓とその血管に関わる疾患を扱います。心臓移植や小児心臓手術に特化する医師もいます。
  • 血管外科医は心臓や脳を除く全身の動脈・静脈・リンパ系を対象とし、特に末梢血管の治療に重点を置きます。

主な疾患

  • 心血管外科医が扱う代表的な疾患は、冠動脈疾患、心臓弁膜症、大動脈や肺動脈の疾患、心臓腫瘍などです。
  • 血管外科医は、脳卒中や四肢の血流障害を引き起こす血管閉塞、動脈瘤、血栓、静脈瘤などを治療します。

主要な手術・処置

  • 心血管外科医は、バルーン血管形成術やステント留置、冠動脈バイパス手術、心臓移植、弁置換手術などを行います。
  • 血管外科医は、頸部や下肢の血管に対する血管形成術・ステント留置、動脈瘤のステント補強、アテレクトミー(血管壁の掻爬除去)、静脈瘤除去術(ストリッピング)などを実施します。

教育・研修

両専門分野とも、学士号取得後に4年間の医学部教育を受けます。その後、心血管外科医は5年間の一般外科研修に加えて2〜3年の心血管専門研修が必要です。血管外科医には2つのルートがあります。

  • ① 5年間の一般外科研修+2年間の血管外科専門研修
  • ② 一般外科研修を省き、5年間の血管外科専攻研修

いずれも高度な手術技術と解剖学的知識が求められ、専門医取得には厳格な試験と実務経験が必要です。

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