股関節置換術後のリハビリに用いるPNFテクニック

はじめに

固有受容性神経筋促通(PNF)法は、神経系の障害を持つ患者が筋力と柔軟性を回復させるためのリハビリテーション手法です。股関節置換術を受けたばかりの患者に対しては、PNFストレッチを用いて股関節周囲の筋肉を強化し、神経の再調整を図ります。本稿では、主に用いられる3つの基本テクニックをご紹介します。

1. Hold‑Relax(ホールド・リラックス)

この手技は、理学療法士または指導者の補助のもとで行います。患者は仰向けに寝た状態で脚を伸ばします。

  • ① パートナーが患者の脚をゆっくり持ち上げ、軽い不快感が生じたらその位置で10秒間キープ。
  • ② 患者はハムストリングスを収縮させ、足が上下に動かないように軽く抵抗を加えるよう指示されます。この収縮を6秒間保持。
  • ③ その後、患者はリラックスし、パートナーが脚をさらに少し持ち上げて股関節屈曲を深めます。リラックス時間は30秒です。

2. Contract‑Relax(コントラクト・リラックス)

Hold‑Relaxと似た流れですが、収縮時にパートナーは軽い抵抗だけを加え、患者が脚を床に下ろすことができるようにします。

  • ① 不快感が出る位置で脚を10秒間キープ。
  • ② 患者は足をパートナーの手に向かって押し、パートナーは軽く抵抗するだけです。
  • ③ その後、パートナーが再度受動的に脚を前方に押し出し、股関節屈曲を30秒間保持します。

3. Hold‑Relax with Opposing Muscle Contraction(拮抗筋収縮を伴うホールド・リラックス)

この手技は、最初の10秒間の受動的ストレッチと30秒間のハムストリングス収縮は同様です。ただし、最後の30秒間の受動ストレッチ時に患者が自ら脚をさらに引き寄せ、股関節屈曲をより大きくします。

まとめ

PNFは股関節置換術後の筋力回復と関節可動域の改善に有効です。必ず専門家の指導のもとで安全に実施してください。

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