前頸部固定術の合併症
前頸部固定術(前方頸椎固定術)は、首の脊椎部分に対して行われる手術です。神経根への圧迫を除去し、2つの椎骨間の動きを防止することで痛みを軽減します。椎間板ヘルニアや骨棘が主な適応症です。手術中は、ロッドやプレート、ピンなどのインプラントを用いて2つの椎骨を融合させます。外科手術であるため合併症が起こり得、特に脊髄に影響を及ぼす場合は重大です。
痛み
前頸部固定術を受けた患者でも、手術が不成功だった場合や術後に痛みが残ることがあります。中には術後に痛みが悪化するケースもあります。このような合併症が生じた場合、原因となる問題を解消するために再手術が必要になることが多いです。
血栓
血栓(血栓性静脈炎や深部静脈血栓症)は、前頸部固定術後に発生することがあります。術後の活動不足が原因で下肢に血栓ができ、足の痛みを引き起こします。血栓が剥離して肺に到達すると、肺塞栓症となり、重篤な呼吸障害や最悪の場合死亡につながります。
感染
前頸部固定術後に感染が起こるのは全患者の1%未満です。多くは皮膚切開部に限られ、抗生物質で容易に治療できます。しかし、放置すると深部組織へ広がり、重篤な合併症や死亡に至ることがあります。
脊髄損傷
前頸部固定術は極めて繊細な手術であり、稀に手術中に脊髄が損傷することがあります。脊髄損傷は麻痺などの症状を引き起こし、麻痺部位は損傷した脊髄のレベルによって異なります。脊髄神経や硬膜が損傷するケースもあります。
インプラント破損
前頸部固定術では、椎骨の位置を保持するためにインプラント(ロッド、プレート、ピン等)を使用します。稀にこれらのインプラントが破損したり、ずれたりすることがあります。その場合、損傷したインプラントを除去し新しいものに交換する再手術が必要となり、適切な椎骨癒合を確保します。
