人工内耳手術の概要と注意点
機能
人工内耳は、外部装置で音を電子信号に変換し、コクレア内に埋め込まれた電極へ送ります。電極は聴覚神経線維を刺激し、脳に音の情報を伝達します。完全に聴力を回復させるわけではなく、脳が新しい刺激に慣れるためのリハビリが必要です。
利点
時間とともに聴覚認識が向上し、リスニング練習やリップリーディング、スピーチセラピーと組み合わせることで高い成功率が期待できます。効果は残存する聴覚神経の数、聴覚障害の期間、適応力などに左右されます。
手術手順
内部装置の挿入は通常、全身麻酔下で外来手術として行われます。手術時間は1〜4時間です。耳の後ろの皮膚を剃り、小さな切開を行い、側頭骨に浅い凹みを作って受信体を固定します。その後、骨を貫通して内耳まで孔を開け、細い電極ストリップをコクレアへ挿入します。切開部は縫合または特殊テープで閉じ、麻酔が切れるまで回復室で安静にします。術後1週間後に切開部の確認を行います。
副作用・リスク
全身麻酔に伴うリスクに加え、術後に吐き気、めまい、疼痛、耳周囲の圧迫感、のどの痛み、めまいなどが生じることがあります。耳周囲の硬直やしびれ、平衡感覚の障害、金属味、耳鳴りの変化(増強または消失)も報告されています。炎症、感染、顔面神経障害などの合併症も稀に起こります。
手術後の経過
切開部が完全に治癒するまで2〜6週間待ち、外部装置で電極を起動します。聴覚士がコンピュータで各電極を検査し、聴覚神経刺激のパラメータを設定します。その後、数か月にわたってプログラミングとリハビリテーションを繰り返し、必要に応じてスピーチセラピーも行います。
