膵臓手術の合併症と対策
膵臓は胃の後ろに位置する腺で、消化酵素とインスリンを分泌します。膵炎や良性腫瘍、膵癌などの疾患に対して手術が行われることがありますが、手術後にはさまざまな合併症が生じる可能性があります。
膵瘻(ファイストゥラ)
手術中に膵臓を縫合したり、腸に接続したりする際、膵液が漏れ出すことがあります。軽度の場合は自然に閉鎖しますが、漏れが持続する場合は再手術が必要になることがあります。
感染症
手術全般に共通するリスクとして、肺炎・気管支炎・尿路感染症などがあります。膵臓手術では創部感染は稀ですが、糖尿病やステロイド使用中の患者ではリスクが高まります。
出血
手術部位近くの動脈壁に血栓ができ、破裂すると腹腔内出血を引き起こすことがあります。重度の場合は経カテーテル動脈塞栓術や再手術で止血します。
胃排出障害(胃無力症)
手術後は数日間点滴のみで、徐々に液体食へ移行しますが、約25%の患者は胃が麻痺したままで食事が摂取できません。その場合、数週間の経鼻胃管や胃瘻が必要です。
消化機能障害
膵臓から分泌される酵素が減少すると、脂肪やタンパク質の消化が不十分になり、脂肪便や体重減少(5〜10%)が見られます。酵素補充薬で改善でき、体重は徐々に安定します。
