頸椎固定手術(頸部融合)の合併症

脊椎は複数の椎間板と関節で構成され、衝撃を吸収しています。骨折や変性疾患により椎間板が劣化すると、首の痛みや可動域の制限が生じます。頸椎(首の7つの椎骨)で症状が日常生活に支障を来す場合、患部を除去し頸部を強化する手術—頸椎固定(頸部融合)—が検討されます。

手術の流れ

  • 手術は主に二段階です。まず「椎間板切除術(ディスクエクトミー)」で損傷した椎間板を除去し、神経への圧迫を軽減します。その後、骨移植片(自家骨や骨バンクから)を椎間板の空間に挿入し、隣接する椎体を融合させて頸椎を安定させます。

声の変化や嚥下障害

  • 手術部位が喉の近くにあるため、声帯神経(喉頭神経)を損傷するリスクがあります。これにより声がかすれたり、飲み込みにくくなることがあります。多くは一時的ですが、永続的な障害になる場合は追加のリハビリや治療が必要です。

骨移植片のずれ(移動)

  • スクリューやプレートで固定しても、骨移植片がずれることがあります。特に複数椎体を融合する場合に起こりやすく、強い痛みや脊椎の変形を伴う場合は再手術が検討されます。

固定不全(融合失敗)

  • 骨が十分に癒合しないと、手術の目的が達成できません。喫煙、骨粗鬆症、肥満、栄養不良などのリスク因子があると、骨の成長が阻害されやすくなります。特に喫煙は骨癒合を著しく遅らせるため、術後は禁煙が必須です。

神経損傷

  • 声帯神経以外にも脊髄や末梢神経が損傷する可能性があります。重度の場合は麻痺に至ることもあり、手術前から既に神経障害がある患者では、融合手術だけでは症状が改善しないことがあります。その際は、脊髄刺激装置などの疼痛緩和策が提案されます。

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