樟(カンフール)治療の概要と注意点

樟(カンフール)は、常緑樹である樟の木の幹や根から抽出される物質です。かつては衣類や箱の防虫剤として強い香りで利用されましたが、毒性の可能性が指摘され、現在は多くの用途が中止されています。アルコールと混合した樟はかつて「元気を取り戻す」飲料として人気でしたが、肝臓障害を引き起こすことが判明しました。

起源

樟の木は高さ35メートルに達し、樹齢が約50年になると樟油が抽出可能になります。主に台湾・中国・日本に自生し、現在はアジア各地、南米、フロリダ、カリフォルニアなどでも栽培されています。

抽出方法

樟油は樟の木材や根、枝葉を蒸留し、透明な結晶(樟結晶)として得られます。蒸留後に濾過・圧搾を行い、白色・黄色・茶色の3種に分かれますが、白色油が芳香が強く、医薬用途に適しています。黄色・茶色の油は毒性や発がん性があるとされ、使用は避けられます。

利用法

樟油は外用であれば比較的安全に使用できます。蒸気療法では呼吸器系の不調やうつ症状の緩和、精神的な不安の鎮静に効果が期待されます。また、皮膚に塗布すれば打ち身や炎症、関節痛、リウマチ、捻挫などの緩和に役立ちます。マッサージ剤やリップクリーム、吸入剤の成分としても利用されています。

FDAによる禁止

米国食品医薬品局(FDA)は、経口摂取や皮膚吸収による中毒事例が報告されたことから、1980年に樟油製品(樟油、樟油系リニメント等)の販売を全面的に禁止しました。ただし、樟を含む外用クリームや鎮痛ジェルは安全と判断され、使用が認められています。例えば、Vicks VapoRub のような蒸気吸入製品は咳止めに有効です。

注意事項

樟油は強い刺激性を持ち、過剰に使用すると興奮状態や不眠を招くことがあります。また、痙攣性神経毒性があるため、妊娠中の方、てんかんや喘息の患者、幼児の使用は禁じられています。過剰摂取は痙攣や嘔吐を引き起こす恐れがあるため、使用量を守り、夜間の使用は避けてください。

ハーブ療法 - 関連記事