うつ病に対するペット支援療法の効果と活用法

ペット支援療法(Animal‑Assisted Therapy、AAT)は、単なる犬や猫との同伴以上の効果を持ちます。米国の非営利団体Delta Societyは、AATを「特定の動物を用いて患者の健康に特定の成果をもたらすことを目的としたアプローチ」と定義しています。うつ病患者を対象とした研究でも、ペット支援療法は症状軽減に有望であることが示されています。

大学でペット支援療法を活用する

在学中にうつ症状がある場合、ペット支援療法の導入を検討できます。寮に住んでいる場合は、レジデントアシスタント(RA)に治療用ペットの受け入れ可否を相談しましょう。AATは大学生のうつ病治療に有効であると、1994年にAnthrozoos誌に掲載されたEileen B. Folse博士らの研究で報告されています。

この研究では、成人大学生2群に対し、AAT群と対照群で治療前後のBeck Depression Inventory(BDI)を測定しました。統計解析の結果、AAT群は対照群に比べBDIスコアが有意に低下し、うつ症状が顕著に改善されたことが分かりました。

動物に集中する

ペット支援療法を実施する際は、うつ症状そのものに意識を向けるのではなく、動物に対話しながら集中しましょう。ペットの存在だけでも多くの人にとって安心感をもたらしますが、Delta SocietyはAATが「自分自身ではなく、動物と環境に意識を向けさせることで、自己肯定感を高める」効果があると指摘しています。

不安を軽減する

AATは従来の対話療法と組み合わせることで、さらなる不安軽減が期待できます。1998年6月号のPsychiatric Servicesに掲載された研究では、230名の精神科入院患者(統合失調症、気分障害、うつ病など)を対象に、通常の心理療法とAATを別々のタイミングで実施し、不安レベルの変化を比較しました。

結果、従来の心理療法は主に気分障害の不安に効果があるのに対し、AATは気分障害だけでなく、さまざまな精神疾患においても不安を同等かそれ以上に低減させることが示されました。

以上の研究結果は、ペット支援療法がうつ病や不安障害の補助的治療として有望であることを裏付けています。大学生活や日常の中で、適切な専門家の指導のもとペットと関わる機会を設けることが、心の健康維持に役立つでしょう。

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