クモの咬傷:症状の経過と適切な対処法

噛まれた直後の症状

ブラウン・リクルーズやブラックウィドウの咬傷で死亡するケースは極めて稀です。多くの場合、ほとんど痛みを伴わないか、皮膚が破れないことさえあります。ブラックウィドウに噛まれると、20分から1時間以内に全身に広がる激しい筋肉痛が現れ、腹痛や胸痛として誤診されることがあります。一方、ブラウン・リクルーズの場合、症状は咬創部位に限定され、2〜8時間後に白い水疱が現れ、周囲が赤く腫れます。時間が経つと硬くなり、病変の縁が青く変色する「赤・白・青サイン」が見られます。重症例では潰瘍化し、6〜8週間かけて治癒します。

治療法

咬傷直後は患部に氷嚢を当て、鎮痛剤(市販)で痛みを和らげます。ブラックウィドウの筋肉痛には温浴が有効です。痛みが持続または悪化した場合は、救急医療を受け、麻薬性鎮痛剤や筋弛緩剤、抗毒素(利用可能な場合)を投与します。馬血清由来の抗毒素は、子ども・高齢者・基礎疾患のある人に副作用リスクがあるため、使用は慎重に判断されますが、全員に投与すれば迅速な症状緩和が期待できるという意見もあります。

他の疾患との鑑別

米国医師会によれば、毎年約2,000件のブラウン・リクルーズ咬傷が中毒管理センターに報告されますが、実際は他の原因がほとんどです。可能であれば、咬傷時のクモの残骸(砕いたものでも)を持参すると診断が容易になります。鑑別が必要な疾患には、他の昆虫咬傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡、膿痂疹、薬剤副作用、帯状疱疹、ライム病、T細胞性リンパ腫、壊死性筋膜炎(腐食性細菌感染)などがあります。

予防策

ブラウン・リクルーズもブラックウィドウも、脅威を感じたときだけ咬みます。暗い隅や家具の下、屋外の岩や木の山に潜んでおり、夜行性です。特にブラウン・リクルーズは段ボール箱や使用頻度の低い靴・衣類に潜むことがあります。寝具や衣類を使用する前に軽く振ってから使用し、薪や石、木材を扱う際は手袋を着用しましょう。収納箱は慎重に開け、室内外の不要な雑物は排除します。ドア・窓の隙間はしっかり閉め、壁のひび割れはコーキングで塞ぎます。粘着トラップや専門業者による駆除で、クモの数を減らすことが効果的です。

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