ブラックウィドウに咬まれたときの治療法とは

薬物療法

MitchellとMedzonの『Introduction to Emergency Medicine』によると、最初は咬まれた部位が軽く腫れる程度です。しかし、咬まれてから30〜90分後に、四肢や背中に激しい筋痙攣と痛みが現れ、上半身の咬傷では胸部へ、下半身の咬傷では腹部へと広がります。症状は盲腸炎に似ることがあります。治療は鎮痛薬(主に麻薬系)で痛みを和らげ、ベンゾジアゼピン系の筋弛緩薬で痙攣を抑えます。稀に痙攣が進行して麻痺になることがあるため、経過観察が必要です。多くの症状は4〜5日で軽減しますが、筋肉痛は2〜3週間続くことがあります。

抗毒素

黒クモ(Latrodectus mactans)用の抗毒素は、重度の高血圧や呼吸器疾患を持つ16歳以上の患者、妊婦(痙攣が流産のリスクになる)など、リスクが高い場合に使用されます。大量の毒が注入され、重篤な症状が出ている場合も投与が検討されます。

抗毒素は馬血清で作られるため、アナフィラキシーショックや呼吸困難、浮腫などの重篤なアレルギー反応を起こす危険があります。そのため、投与前に抗ヒスタミン薬を投与してアレルギー反応を予防・軽減します。抗毒素は1〜2日で症状を改善しますが、約10日間は筋肉のだるさや痛みが残り、投与後2週間まで血清病と呼ばれる遅発性の重篤アレルギーが起こることがあります。

考慮事項

咬傷後はできるだけクモを捕まえて容器に入れ、医師に提示し正確に種別を特定してもらうことが重要です。抗毒素は黒クモに対してのみ有効で、他の有毒クモは異なる局所反応を示し、治療法も異なります。また、多くのクモ咬傷は「乾燥咬傷」で毒が注入されないこともあります。

抗毒素は副作用があるため、医師は症状の重篤度を観察しながら投与を判断します。早期投与が効果的ですが、馬製品にアレルギーがある場合は感作テストが必要で、投与が遅れることがあります。

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