オーストラリアの赤背クモ(レッドバック)の噛み傷と症状

概要

赤背クモ(レッドバック)は、黒クモに近縁で外観も危険性も似ています。オーストラリアで最も多く深刻なクモ咬傷を引き起こす種で、1956年に抗毒素が開発されるまで多くの犠牲者が出ました。

特徴

雌の赤背クモはエンドウ豆大ほどの大きさで、丸い黒い腹部にオレンジがかった赤い縞模様があります。若い個体は腹部の裏側に白い斑点が見られます。オスはさらに小さく、牙が人間に危害を与えるほどではありません。巣は粘着性が高く乱雑に見え、卵嚢が糸に付着しています。実体を確認する前に、まず巣を見つけることが多いです。

分布と生息場所

赤背クモはオーストラリア本土とタスマニアに広く分布し、小型の昆虫やトカゲを餌にしています。暖かく乾燥した環境が巣作りと交尾に適しており、人間の居住地の近くに巣を作ることが多いです。住宅内や自動車、郵便受け、低木、カーポートなどに潜んでいる姿が報告されています。

危険性

雌の毒はごく少量で中枢神経系に作用し、治療が遅れると麻痺や致死に至ることがあります。年間250人以上が抗毒素を投与されますが、クモは攻撃的ではなく、巣に手を入れたり裸足で踏んだりしない限り噛まれる確率は低いです。

症状

噛まれた直後は軽い痛みがあり、時間とともに激しい不快感に変わります。吐き気や腹痛、過度の発汗、唾液の増加、筋肉のしびれや脱力、呼吸困難、咳、心拍数の上昇が見られます。毒はゆっくりと全身に広がるため、病院へ搬送する時間は十分に確保できます。抗毒素が使用されて以来、死亡例は報告されていません。

治療法

まず患者を落ち着かせ、安静に保ち、動きを制限します。病院には抗毒素が備蓄されているため、遠隔地でも過度に不安になる必要はありません。毒の拡散が遅いため、圧迫や包帯は不要です。むしろ圧迫は痛みを増強させます。腫れを抑えるために氷を当て、鎮痛剤で痛みを管理します。可能であればクモを持参し、正確な同定に役立てます。病院で抗毒素投与と症状管理を受けることが最善です。

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