ライム病における視覚症状と治療

ライム病は、シカダニが媒介するボレリア・ブルグドルフェリという細菌が原因の感染症です。感染したダニに刺されると、細菌が皮膚から血流へと広がります。症状は感染後の時間経過や体内への拡散具合により3つの段階に分けられます。

早期局所型(初期)

ダニに刺された後1日~1か月以内に現れる段階です。最も特徴的なのは「紅斑性遊走性発疹(EM)」と呼ばれる環状の発疹で、刺された部位を中心に赤い輪が広がります。直径は数センチから30センチ程度までさまざまです。皮膚の色が濃い人ではあざのように見えることがあります。感染者の約70~80%がこの発疹を呈します。

早期播種型(拡散期)

感染後数週間から数か月、あるいは治療が遅れると細菌が心臓や神経系へ広がります。視覚的・神経的症状としては、筋肉の動きが鈍くなる、首がこわばる、顔面筋の制御ができなくなる(顔面神経麻痺、ベル麻痺)などがあります。

晩期(慢性)

感染から数か月以上経過し、治療が行われなかった場合に起こります。関節炎や神経障害が主症状となり、膝関節を中心に関節が腫れ痛む「遊走性関節痛」がみられます。患者の約60%が関節症状を経験します。

まれな症状

感染後数週間で眼の炎症や充血、肝炎、極度の倦怠感が現れることがあります。さらに、吐き気・嘔吐・下痢・食欲不振などの消化器症状が見られることもあります。

治療

早期に診断すれば、ほとんどのケースで抗生物質により完全回復が期待できます。第一選択薬はドキシサイクリン、アモキシシリン、セフロキシムなどの経口抗生物質で、通常14~21日間投与します。症状が進行した場合は、入院して静脈内抗生物質を14~28日間投与します。

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