グリオブラストーマとは何か
がんとは
がんは体内の細胞が制御不能に増殖し、正常な組織を圧迫・破壊する病気です。がん細胞は血流に乗って他の部位へ転移することがあり、これを転移性がんと呼びます。脳も例外ではなく、脳自身の細胞ががん化する原発性脳腫瘍や、他臓器から転移した腫瘍が生じます。
グリオーマ(神経膠腫)
脳の神経膠細胞はニューロンを支え、栄養供給や髄鞘(ミエリン)形成を行います。主な神経膠細胞は星形膠細胞、乏突起膠細胞、上衣細胞、放射膠細胞の4種類です。これらのいずれもがん化する可能性があり、特に星形膠細胞が高度に悪性化したものが「グリオブラストーマ(膠芽腫)」と呼ばれます。
グリオブラストーマの特徴
グリオブラストーマは星形膠細胞から発生する最も進行した腫瘍です。米国脳腫瘍協会によると、全膠腫の約半数を占め、主に44〜55歳の成人に多く見られます。明確な原因は不明ですが、遺伝子異常が関与していると考えられ、国際放射外科協会の調査では80%以上の患者で染色体異常が認められました。
診断方法
患者が行動変化、持続性頭痛、日常生活の障害などの症状を示した場合、医師は頭部の画像診断を行います。CTやMRIで腫瘍が視覚化され、必要に応じて生検で組織を採取し顕微鏡で鑑別します。近年の高度な画像技術により、生検の回数は減少しています。
治療法
グリオブラストーマの治療には外科手術、超音波吸引、化学療法、放射外科(ラジオサージェリー)や放射線療法が組み合わされます。手術で腫瘍を除去し、超音波吸引は音波で腫瘍を破壊して吸引します。化学療法はがん細胞を殺す薬剤を投与し、放射外科は高エネルギーの放射線ビームで腫瘍細胞を破壊します。放射線療法も同様に細胞増殖を抑制しますが、治療後の5年生存率はわずか2%と極めて低いのが現状です。
