がん患者のための液体栄養
概要
がん患者は、腫瘍への栄養の異常なシフトや、口からの摂取・消化機能の低下により、十分な栄養を取れないことがあります。こうした栄養不足を補う手段として、液体栄養(経腸栄養)が処方されることがあります。
液体栄養とは
液体栄養は、液体状の栄養剤をチューブを通じて胃または小腸に直接送る方法です。胃に設置するチューブは、連続的に、または1日数回に分けて栄養を投与できます。小腸に設置するチューブは、より長時間にわたって安定した投与が可能です。
チューブの種類
- 短期用:鼻腔・咽頭から胃または小腸へ通す鼻胃管(NGチューブ)です。治療期間が数日~数週間程度の場合に使用されます。
- 長期用:腹部に人工的に作られた開口部(ストーマ)から直接胃または小腸へ挿入する胃瘻(PEG)・腸瘻です。長期間にわたる栄養管理が必要な患者に適しています。
栄養剤の種類
液体栄養には、患者の全体的な栄養要求を満たす「完全栄養剤」から、特定の栄養素(例:タンパク質、ビタミン、ミネラル)や疾患に合わせた「特別配合」まで様々なタイプがあります。糖尿病や心疾患など併存症がある場合は、医師の判断で適切な配合が選択されます。
適応例
特に頭頸部がん患者は、化学療法や放射線療法の副作用で嚥下困難や食欲低下が起こりやすく、液体栄養が有効です。また、口から少量しか摂取できない場合でも、チューブを用いて不足分のカロリーと栄養素を補うことが推奨されます。
使用上の注意・制限
胃や腸が機能しない、または切除されている場合はチューブの設置が困難となり、液体栄養は適用できません。腸閉塞、血小板減少、激しい嘔吐・吐き気がある場合も使用が制限されます。
