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がん治療における白血球の新アプローチ

白血球は免疫系の重要な構成要素で、感染と闘いますが、がん治療においては化学療法の副作用で減少します。近年、特定の白血球を補充することでがんを根本的に治す可能性が示唆されています。

マウス実験

2006年、ウェイクフォレスト大学付属病院の崔(Zheng Cui)准教授は、あるマウス系統が多種のがんに対して自然に抵抗性を示すことを発見しました。さらに、その子孫の半数以上も同様の抵抗性を持っていました。

研究チームはがんマウスに白血球を注入し、免疫が移行するか検証しました。注入された白血球はすぐにがん細胞を攻撃し、すべての実験マウスは完全に治癒しました。

比較解析の結果、がん抵抗性マウスは特定の遺伝子を有しており、その遺伝子は単独でも、既存の白血球と協働してがんを除去できることが判明しました。

ヒト試験

2年後、崔はヒトの白血球を培養したがん細胞(乳がん・子宮頸がん・前立腺がん)に対して同様の実験を実施しました。試験管内で白血球はがん細胞を攻撃し、すべてのケースで何らかの効果が確認されました。

2008年、米食品医薬品局(FDA)は臨床試験への許可を下し、研究はヒト対象へと移行しました。

注目すべきは「顆粒球」と呼ばれる大きな白血球群です。顆粒球内部の顆粒はがん細胞に対して毒性を示すと考えられ、これまで感染防御に限定されていた役割ががん治療にも応用できる可能性が示唆されています。

崔は、顆粒球が豊富な健康なドナーから白血球を採取し、がん患者に移植すれば、患者自身の免疫ががんと闘える、あるいは根本的な治癒が期待できると仮説を立てました。

治療の仕組み

投与された健康な白血球は、がん細胞を感染と認識し、変異した細胞へと集まります。白血球はがん細胞を取り囲み増殖を阻止し、最終的に攻撃・死滅させます。さらに、白血球の導入は再発防止の免疫記憶を形成すると考えられています。マウス実験では、腫瘍が残存した例でも48〜72時間以内にがんが完全に消失しました。

考えられる課題

臨床試験が進行中であるため、最終的な成果は未知数です。ひとつの懸念は、マウスで確認された変異遺伝子がヒトでも同様に機能するかどうかです。2019年9月、英国の研究チームは「E4bp4」遺伝子が幹細胞を活性化し免疫防御を開始させることを発見しました。現在、この遺伝子を増強する薬剤開発が進められています。

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