多発性骨髄腫の標準的な治療法

多発性骨髄腫では、異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が骨髄内に増殖し、腫瘍として骨に形成されます。その結果、正常な血液細胞の産生が阻害され、骨が弱くなるなどの合併症が起こります。根治は難しいものの、症状緩和や合併症の管理、病勢進行の抑制を目的としたさまざまな治療法が用いられます。

ボルテゾミブ(Bortezomib)

米国食品医薬品局(FDA)が承認した最初のプロテアソーム阻害剤で、がん細胞の異常タンパク質を分解する酵素(プロテアソーム)の働きを阻害します。骨髄腫細胞の増殖を抑え、化学療法や放射線治療の効果を高めることが期待されます。

サリドマイド(Thalidomide)

かつては鎮静剤やつわり治療薬として使用されましたが、胎児への奇形リスクにより市場から撤退。その後、1998年にFDAの承認を受けてハンセン病治療薬として再評価され、現在は多発性骨髄腫の治療にも用いられています。診断後に併用薬として処方されます。

レナリドミド(Lenalidomide)

サリドマイドと同様の作用機序を持ちますが、副作用が少なく、病勢進行の抑制効果が高いとされています。新規診断例だけでなく、既に治療を受けた患者にも適応されます。

化学療法・放射線療法

化学療法は抗がん剤を静脈注射または経口投与し、がん細胞を直接死滅させます。単独で行う場合や、上記薬剤と組み合わせて使用します。放射線療法は腫瘍がある骨に局所照射し、腫瘍縮小や疼痛緩和、骨破壊予防を目的とします。

その他の治療

ステロイド(プレドニゾンやデキサメタゾンなど)は、炎症抑制や免疫調整効果で症状緩和に寄与します。また、幹細胞移植により、損傷した骨髄を健康な幹細胞で置換し、長期的な寛解を目指すことができます。

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