癌性髄膜炎の予後と治療概観
原因
癌性髄膜炎は、他の臓器にできたがんが脳や脊髄を覆う髄膜へ転移した二次がんです。最も頻度が高い原発は乳がん、卵巣がん、肺がんで、がん患者の約半数が髄膜転移を起こすと報告されています。
主な症状
診断は主にMRIや脊髄液検査で行われます。代表的な症状は以下の通りです。
- 意識障害や混乱、めまい
- 聴覚障害や嚥下困難
- 全身にかゆみや灼熱感、チクチク感が走る
- 背部痛、四肢の筋力低下や麻痺
- 症状はがんの進行とともに増悪します
治療方針
髄膜への直接的な根治は困難なため、治療は主に症状緩和と生活の質(QOL)向上を目的とします。具体的には、腰椎穿刺で脊髄液に化学療法薬を投与し、脳への放射線療法を併用します。
予後
治療の有無により生存期間は大きく異なります。化学療法と放射線療法を受けた場合の中央値は約3〜6か月、治療を行わない場合は約4〜6週間と報告されています。死因は進行性の神経機能障害です。
留意点
中央値はあくまで統計的な目安であり、個々の症例は診断時期や治療の進行度により大きく変動します。早期に診断できれば生存期間の延長が期待できるため、予後については医療チームと十分に相談し、家族と合意の上で治療方針を決定することが重要です。
